【マギカロギア】導入2/4~中善寺火鉈の事件簿【リプレイ】

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人間は自然の猛威と戦うことはできない。

嵐が向かってきたら、逃げなければならない。

だが、魔法使いになれば、嵐と戦うこともできるし、勝つこともできる。

 

 

 

 

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GM 導入の2シーン目は、書警、中善寺 火鉈(ちゅうぜんじ ひなた)にスポットが当てられます。

中善寺 表の顔として、太境市でアンティークショップ「惑星屋」を営んでいるので、普段はそこにいるぞ。

GM では、初期アンカーの坂口ラジュが、今日も今日とて冷やかしに来ております。

中善寺 「…指紋をベタベタ付けたりするなよ?」

GM 坂口「手袋をしていますから大丈夫です」 買わないけど、商品を扱う手つき、マナーは完璧。買わないけど。

中善寺 イヤな客だなヲイ! それをチラチラ見ながら、作業をしていよう。

GM そうこうしていると、「惑星屋」の古びた電話がジリンジリン鳴ります。

中善寺 「(ガチャッ)はい、惑星屋です」

GM 『『巡り廻る踊り子(ドールズ・メリーゴーラウンド)』、仕事だ』 その声は、<大法典>の魔法使い、『下弦の月(ヘカテー)』影原文子(かげはら あやこ)のもので間違いない。

中善寺 「影原さんか。魔法事件だな?」

GM 影原『その通りだ。すぐに、太境家の屋敷に向かってくれ。『書将(アフトストラ)』が待っている』

中善寺 「演村(ひろむら)が? 確かあいつは今、太境家の経済顧問だったな…判った、すぐに向かう」

GM 影原『そうしてくれ。こちらも追って増援を送る』

中善寺 「頼んだぞ(チンッと電話を切って)坂口、急用が入ったから今日はもう閉店だ」

GM 坂口「えー。お客の扱いひどすぎません?」

中善寺 「お前を客とは思っておらん! さあさ、出てった出てった」

GM 坂口「ブーブー」

アンティークショップの店長から書警となった中善寺は、この市の名家として名高い太境家の屋敷に向かった。

そこには、古い戦友である魔法使い、『書将(アフトストラ)』演村江洲(ひろむら えす)がいて、太境家の経済顧問を務めているのだ。

GM 太境家屋敷には、魔法ですぐに着けます。屋敷は古びた、落ち着いた佇まいの洋館ですね。使用人に案内されて、演村の執務室に案内されます。

中善寺 「演村、久しぶりだな」

GM 演村「ああ。呼んでおいてなんだが、まだ<大法典>の使いっ走りか、中善寺」 親しみを込めた皮肉で中禅寺を迎え入れた演村は、古風な洋装をした壮年だ。

中善寺 「相変わらずだな。…何か事件が起きているらしいな?」

GM 演村「ああ。そのことだが・・・まずは、見てほしいものがある」

中善寺 なんだろう。

GM 演村に先導されて行き着いたのは、とある寝室だ。そこでは、天蓋付きの寝台に横たわる少女が、こんこんと眠り続けている。

中善寺 「演村、彼女は?」

GM 演村「…太境家のご令嬢、楼良お嬢様だ」 書警である中善寺は見れば判るけど、寝台には演村の封印術式が幾重にも張り巡らせてある。

中善寺 「これが今回の魔法災厄、というわけか」

GM 演村「そのとおりだ。現在の状況を簡単に説明しよう」

・ 現在、太境市では突如昏睡状態に陥る魔法災厄が続発している

・ 太境楼良は、その魔法災厄の、第1号被害者である

・  楼良に続いた被害者は、確認次第、<大法典>の息のかかった病院で保護している

中善寺 「流石に手回しがいいな。それで、私はその魔法災厄の根を絶てばいいんだな?」

GM 演村「その通りだ。君の<分科会>のために、太境家の一室を用意させてもらったよ」

中善寺 「それはありがたい。<分科会>に選出されたメンバーも、追ってやってくるだろう。…それはいいとしても、今回の魔法災厄を起こしている存在について、何か掴んでいることはないのか?」

GM 演村「うむ・・・ まず、容疑者とでも言うべき者は二人だ。いや、一冊と一人というべきか」

中善寺 「一冊、というと、やはり<禁書>か」

 

禁書(ベイン)

それは、邪悪な意志を宿した魔道書。

世界を呪い、人を冒涜し、万物を廃絶する、災いの象徴である。

 

GM 演村「そうだ。<殺戮する茨の悪夢>。人々の夢に干渉し、意識を乗っ取って、殺戮の悪夢を顕現する。この忌まわしい禁書がもたらす魔法災厄に、今回起きている事態は合致する」

中善寺 「すでに<断章>となって、太境市に潜伏している可能性は大きいな」

GM 演村「楼良お嬢様は、昏睡に陥る直前、婚約者が行方不明となった報を受けていた。・・・そのショックで出来た心のスキを、<禁書>ないしは<断章>に付け込まれた可能性は否定できん」

中善寺 「…彼女に<断章>が憑依している、と?」

 

強大であるが故に、己の存在を秘することができない禁書は、
自らを断章(フラグメント)に分割する。

これにより、簡単には感知されず、
人の精神に潜み隠れることができるようになるのだ。

そのような<断章>をあぶり出すには、魔法使いと言えども一筋縄ではいかない。

 

GM 演村「楼良お嬢様に<断章>が憑依しているかどうかはわからん。容態を安定させるのが最優先だったからな。そのあたりの調査も、君にお願いしたい」

中善寺 「いいだろう。ところでさっき、容疑者がもう一人いると言っていたな?」

GM 演村「…問題はそこだ。この太境市に、夢魔法の使い手が潜入したようなのだ。そいつは、<大法典>の書籍卿リストに名を連ねている」

中善寺 「そいつも”夢”を操るのか… どんな奴だ?」

演村は言う。
「女吸血鬼…『伯爵夫人(グレーフィン)』カーミラ」

導入3に続く