マギカロギアをやりました。

マギカロギア!!

強大な魔法使いになり、妄言を駆使しながら禁書を封印する、
一大スペクタクル現代伝奇叙事詩。

ヘマをこけば、魔法使いが勝手に指名した一般人に迷惑がかかり、親が死んだり、車が突っ込んだり、借金の借用書が飛んできたりする。2回ぐらい連続ブローを食らうとそいつは死ぬ。

ろくでもねえ魔法使いをやりたがるPLを集めたGMは、厳かに言った。

「初期作製の階梯(レベルみたいなもの)は3ですが、今回は5です。そのぶん、敵も強大です」

第5階梯!!
いつもなら、PCをアゴで使ってくるNPC様レベルである。

いつにないハイレベル環境にキャッキャしだしたPLたちは、モリモリとキャラを作った。

3時間後くらいに、3人の強大な魔法使いが世界に降り立った。

◆「万象記の観測点(アカシック・ゲイザー)」
阿賀田 京鈰(アガタ  ケイジ)

17歳にして第五階梯に至った天才。アカシック・レコードから漏れだす情報を観測できますとかPLが言ったので、そのようになった。

組織を統括するエラい機関に列し、打ち消し魔法を駆使して「この呪文いいですか?(^^」「ダメです(^^」とやりとりし、メガパーミッション環境のトップメタに君臨して友達を失くした。

PLはツネユキ。

◆「屍型使い(レイスマンシー)」
志屍 冬(シカバネ フユ)

17歳にして第五階梯に達したもうひとりの天才。
主食は正義。好きなものは正義。魔法を知らない愚者は僕が守る!!ナチュラルボーン区別主義者。

フツー1回しかできないことを、僕は2回やりますけど(^^)マン。
死んだ召喚獣も使い回すエコロシスト。人呼んで屍型使い。

おっかねえ。

PLは渓介さん。

◆「既に亡い地(ユーミル)」エミュー

元禁書のアテクシが、何の因果かマッポの手先。少女な外見に騙されると死ぬ。騙されなくても死ぬ。

敵か自分か、どちらかが死ぬ魔法で分の悪い賭けを挑み続ける死のギャンブラー。賭金は命。ベットは死ぬ程。コールがかかればさようなら。

おっかねえ。

PLはぱっちょ。

PCデータを見回して渋いツラをしたGMがゲーム開始を宣告すると、PCたちはごく自然に導入フェイズを終え、しめやかにメインフェイズに移った。

煮えゼリフを吐きながら調査していくと、「だいたい阿賀田の身内が悪い」ということが分かったので、僕は仲間から視線をそらし、気まずい空気の中、悲劇のヒーローロールを始めたよね。

こうして、ゲームは戦闘シーン中心のキリング・フィールドに表情を変えた。

渓介さんの志屍は、敵が並べた召喚獣をリセット魔法で一掃しつつ、「いい召喚獣だな、ちょっと借りるぞ(^^」と死体を乗っ取り、ぼっちになった敵に呪砲をぶちこんだりした。

ぱっちょのエミューは、自分と敵のどちらかが死ぬ魔法で別ゲーの海を展開し、敵と仲良く泥船で出航、死線の大波を乗り切って自分だけ岸に帰ってきた。敵は海にコンクリ詰めで沈んだ。

ツネユキの阿賀田は一番弱い敵をボコってドヤ顔をしつつ、他人の戦闘にもしゃしゃってGMの呪文をパーミして無効化し、ヘイトを稼いだ。

しかし、殺意の波動に目覚めたGMのせいで、中ボスがなんかすげえ強かったので、リソースを壊滅的に失ったPCたちは、ラスボス戦に向けて最後の希望・・・エミューの別ゲー・デッド・オア・アライブに全てを賭ける相談をしだした。

ラスボス戦でひと通りのロールを終えると、阿賀田と志屍はエミューへの花道を開き、エミューはボスと自分の腕を手錠で繋ぐと、連れ立って「命」と書かれた粗末な船に乗り込み、死線待つ海へ出航していった。

船が帰ってきた時、ひとり残っていたのは・・・エミューである。

2.5ターンくらいのスピード決着にPCたちは喝采を上げ、GMはただ笑っていた。

しかし、迷惑をかけた一般人を救おうとしたエミューは、「失敗すると自分が死ぬ」判定に挑戦して失敗、唐突に0と1に還元され、消えた。

命の賭博を続け、そのことごとくに勝ち続けてきたギャンブラー、強大な魔道書、「既に亡い地(ユーミル)」、エミューは、こうして死んだ。

エミューをしめやかに供養した阿賀田と志屍は、前途への更なる気迫を見せて、物語は幕を閉じた。

GMとPLは皆一様にいい笑顔を見せ、またやろうね!!!!と親指を立てた。